「四季」 折々に思いつくまま!

いつも元気で、笑顔で、楽しい 「好々爺」です <ASC23期生>

7月(文月:ふみつき)「男の日傘」

最近、環境省や新聞、テレビで熱中症対策として「男の日傘」使用を呼び掛けている!

環境省の実験によると、日傘をさすと帽子をかぶるのに比べて、汗の量が約47%減る効果あそうです 。昨年の熱中症による死亡者数 1,518人 ちなみに女性は69.8%が日傘を使用するに対して、男性は14.3% 男は我慢強い (>_<) それとも恥ずかしがりや!

日傘を持つことに抵抗を感じる男性は多いようですが、女性からみた男の日傘の好感度は85%で意外といいようですよ! ほかの15%の方は「気持ちが悪い」 (>_<)

2013年4月 愛知シルバーカレジ   一宮校23期生として1年間多くの講師の方々に学び、その時 渡辺哲雄講師 著『男の日傘』エッセー集を購入したのを思い出した。読んだはずが内容は、すっかれ忘れてしまい改めて読みました。《少し抜粋して紹介します》

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この本は2012年(H24年) 刊行され、「男の日傘」は、今から9年前の2010年に書かれたエッセイです。この頃は、男性用の日傘を探すのに苦労されたと記されています。今は、迷うほどいっぱい商品がありますネ (^O^)/

男性は日焼けなど気にするものでない! 男は肌をいたわるなど男のするものでない! 男は外見ではなく仕事や心意気や生きざまで評価されるべきだと、社会全体に古びた価値観が存在し、男らしくないことだと暗黙の規範が、日傘を差すのを拒んで長いこと受けいられなかった! だから日傘は女性のみの特権のように思われ使用されてきた。

だから著者は、日傘は日陰がついて来る快適さをに小さな感動を覚えながらも、スカートを履いて町を歩いているような気恥かしさと闘わなければならなかったとも書かれています。

また、坂本龍馬は和服にブーツ、そして高杉晋作はちょんまげの時代に散切りと、秩序至上主義のあの時代に日傘の比でなかったに違いとも記述されています。

龍馬さん、「わしゃ幕府を倒すために、あちこち歩くきの、わらじと違ってブーツは丈夫で便利なんじゃ!」

晋作さん「牢屋に入たときに剃った坊主頭が伸びただけじゃ、騎兵隊の結成に忙しゅての、髪型のことなんぞに構ってはおられんわい!」

遠くを見ているいる男たちて魅力的ですね! 龍馬さん「日傘ごときでうじうじしとらんと、まっと大きこと考えや!」

《 龍馬が生前残したことばに!》

『何でも思い切ってやってみろよ!

 どっちに転んだって、人間、野辺の石ころと一緒

 最後は骨となって一生終えるのだから

 だから思い切ってやってみろよ!』

深刻になったら、負けぜよ、 最後は骨になるだけぜよ、 

人生5万年じゃないんだ、 たかが数十年ぜよ!

 初代の三遊亭円遊が得意した人情噺の演目で、 勘当された若旦那が船頭になる『船徳』にこんな場面が、7月の暑いさかりに四万六千日様に浅草観音をお参りしようという男性の二人連れ場面に、

「おまえさんはいいよ、コウモリなんてハイカラなものをさしているから」「オテントウサマをさえぎってますよ」「わたしをごらんなさい、まともに照りつけている」

と一人はコウモリ傘を日傘に使っている。今日では、男性の日傘はまだまだ見かけるのが少ないですが、明治時代当時はあまりめずらしいことでなかった様子が伺えます。

それ以前の江戸時代には幕府が一時期、男性の日傘使用を禁じていたというから、お上が目くじらを立てるほど広まっていたらしい! (>_<)

奈良時代「日本書記」に、元々の日傘である差しかけの「盖:きぬがさ」の文字が記されいます。また古墳時代の壁画に差しかけの傘を持つ人の絵が残っているそうです。

傘はもともと貴婦人の頭上に差しかける特別のもので、選ばれた人のみ使えたもので、傘を使う許可は朝廷が下していたそうです。だから庶民には無縁のものでした。

平安時代後期には、和傘の存在が認められています。江戸時代の元禄年間 五代将軍綱吉の頃に蛇の目傘が登場します。また婦女子の間で「絵日傘」が流行したそうです。

江戸正徳1711年 徳川家宜の頃に大黒屋傘と称し番傘が出現する。

『江戸時代に松平光重加納藩岐阜市南部)に移封の際、金石衛門という傘屋を伴ってきたことが、岐阜加納の和傘つくりが始まったそうです』

「花魁道中:おいらんどうちゅう」で欠かせないないのが「長柄傘」(写真はネットより)

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これは日傘でもなく雨傘でもなく、単純に演出として用いられたようで、道中には重要なアイテムだったようです。

海外の歴史を見てみますと、3,000年前のエジプトで「日傘」生まれたと言われています。 中国では紀元前に「雨傘」が生まれたが、その後、長い期間にわたりヨーロッパで「傘は女性のアクセサリー」であり続け、歴史的に考察すると傘は本来「日傘」であり、その後「雨傘」生まれたことになりますネ! 

1852年にジェームス・スミス&サンズという傘専門店」がロンドンに登場した。

1958年にドイツ人 ハンス・ハウプトが折畳み傘を開発とあります。

ロンドンは「霧の都」と称され、英国人はいつも傘をもって外出? 雨が多いとのイメージのお持ちの方が多いかもしれませんが! 統計によると年間雨量は東京が1,531mmに対しロンドンは601mmで、東京の方が何と約2.5倍も雨が降っています。

しかし、細かい霧状のような雨が頻繁に降り、この霧雨は空中に浮遊する感じで、意外と傘をさすよりフドをかぶり歩くひとが多いそうです。だからイギリス人は、日頃から老若男女問わずフード付きやウォータープルーフのアウトドア用ジャケットを日常的に着ている人が多いそうです。 (^^)/

日本の傘文化には、番傘・蛇の目傘・舞踊傘・野点傘(朱傘)・大傘・差しかけ傘とういろんな場面で使用され粋な歴史感がありますね! 傘からかもしだす油のにおい、漆の感触、透かしたときの和紙の色合い、はじく雨の音など日本の風情にあつた景色を感じますネ!

明治元年になると洋傘(コウモリ)が庶民にも普及、ちなみに6月1日は傘の日です。日本の警察官・自衛官・刑務官などは服務規程で勤務中に傘を使用することが認められてないそうです。

ビニール傘は日本発祥! 昭和26~30年頃に爆発的に売れたナイロン(ビニール)傘!昭和33年に世界初のビニール傘誕生は、昭和39年の東京オリンピックに来日した米国バイヤーによってニュヨークで火が付き爆発的に世界に普及しました (^O^)/

日本のビニール傘、年間販売数1億3000本で世界で一位です。但し殆どが中国製だそうです。 また出荷された内の5000本は1年間以内に廃棄されるそうです。

コンビニで8000本売れるそうです。そして昨年電車内の忘れビニル傘はなんと約30万本です 。日本のビニール傘文化は凄いですネ (@_@;)

さて男性の皆さん、今年こそ恥ずかしがらずに勇気を持って「男の日傘」に挑戦したら如何ですか?  女性の特権をゆるすな ! そうだ! ( `ー´)ノ 

                                                                                                    6/30  記  Marui