『 秋来ぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかねぬる 』 藤原敏行
秋が来たと目にははっきりとは見えないけれど、風の音にハッと秋の訪れを感じておどろいた。
平安時代前期の『古今和歌集』には、四季の歌を春夏秋冬の順に収録されており、 この歌は秋の部の巻頭歌に選ばれています。
今年は、蝉の鳴き声を聞く機会がなかった! 最近「 赤とんぼ」が飛ぶのを見つけ「小さい秋」を見つけたようで嬉しくなり、秋だなあ〜、と思った次第です。
「赤トンボ」は、生物学的な特定の種の名前ではありません。日本の秋に赤くなるトンボたちの総称です。正式にはアキアカネと呼ばれているトンボのひとつです。 他にもナツアカネも「赤とんぼ」と呼ばれることがありますが、一般的にはアキアカネだけを「赤とんぼ」と呼ぶ事が多いそうです。
「 竹竿のさきに 夕日の 蜻蛉(とんぼ)かな 」
童謡「赤とんぼ」(赤蜻蛉:あかとんぼ)
夕焼け小焼けの 赤とんぼ
負われて 見たのは いつの日か
山の畑の 桑の実を
小かごに摘んだは まぼろしか
十五でねえやは 嫁に行き
お里の 便りも 絶え果てた
夕焼け小焼けの 赤とんぼ
とまっているよ 竿の先
大正10年に発表された。三木露風作詞、山田耕筰作曲 日本の代表的な童謡の一つです。
この歌詞 には、美しい夕焼けの情景を歌ったノスタルジックで切なさや悲しみが感じられます。

歌詞の背景には「三木露風」が5歳の頃に両親が離婚し、 「三木露風」(ネットより)
母親とは生き別れて三木家の祖父の元で子守り奉公の女中(姐や)に面倒を見ても らっていた。
おぶってくれていたのは女中の姐やで、その背で「夕焼小焼の赤とんぼ」を見た幼いころ、そして、桑の実を摘んだのは何時だったか? その姐やもやがてお嫁に行き、姐やからの便も送られてこなくなってしまって寂しいと歌っています。
会いたくても会えない母への切ない気持ちが込められた作詞です。 (/_;)

日本では「赤とんぼ」を「蜻蛉」「秋津」は「あきづ」と読み、共に「とんぼ」の古名とされています。その名の由来は?
「日本書紀」によると神武天皇が国土を一望して「蜻蛉(あきづ)の臀呫(となめ)の如くにあるかな」と言われたところから、大和和の国(日本の国)を「アキズシマ」(秋津島、蜻蛉洲)とも呼ぶようになったといわれています。
「臀呫」とは、とんぼが雄雌が尾をくわえ合い輪になって飛んでいる様子(交尾)をいいます。 古代の天皇も面白い表現をされたものですね!
また『古事記』には、雄略天皇の腕にたかったアブを食い殺したトンボのエピソードがあり、やはり「倭の国を蜻蛉島:あきつし島)と呼んだとされている。
なぜ「トンボ」と呼ばれているかは定かではないが、「飛ぶ穂」や「飛ん棒」から?「秋に多くいづる」が略されたともいわれています。
古代、蜻蛉は実りをもたらす田の聖霊と考えられ、収穫前に群れ飛ぶのは「豊作のしるし」とされていました。
蜻蛉(あきづ)は平安時代になると「あきつ」と清音になり、さらに「とんぼ」「とんぼう」として歌に詠まれるようになったのは、ずっと後代の室町時代からといわれています。
アキアカネ(ネットより)
赤とんぼと言っても、真っ赤になるのは、成熟したオスだけで、成熟するに従い赤くなります。この色の変化は、オモクロームという色素の酸化還元反応によって起こることが明らかになっています。頭の部分は赤く染まらずに、腹の部分が特に赤くなる事などが挙げられます。 未成熟のオスや、メスは、黄色っぽい色をしています。
あきつ羽(は)の 袖振る 妹を 玉櫛笥(たまくしげ)
奥に思ふを 見たまへ 我(あ)が君
湯原王(ゆはらのおおきみ)
我が君よ、 向こうに蜻蛉の翅のような薄い衣の袖を翻しながら、舞っている美女がおりますでしょう。
実はあの舞姫は私のとっておきの想い者なのですよ。 よぉーく ご覧になって舞を楽しんで下さい。
あきつ羽 :蜻蛉の透き通る翅、 領巾(ひれ:スカーフ)、羅(ら:薄く織った絹の布) に形容される。
玉櫛笥:女性の化粧箱、奥に掛かる枕詞。
しゅうめいきく(秋明菊) 花が咲くのは、9月~11月、夏が終わり初秋の風が吹き始めた頃から咲き始めます。
日本には「赤とんぼ」と称する種類は、
アキアカネ 最も一般的な赤トンボです。成熟するとオスは全身真っ赤に、メスは黄色っぽい体色を保つことが多いが、赤くなる個体もいる。夏に山に移動し、秋に平地に戻ってくる代表的な種類です。
ナツアカネ 顔の真下(額)にハッキリとした黒い眉状の模様がある。
胸の側面はアキアカネより黒い筋が細く目立ちにくい。成熟するとアキアカネ同様に赤くなる。夏でも平地の水辺で見られることが多い。
ミヤマアカネ 後ろ羽根の根元が鮮やかなオレンジ色に色づき、主に山間部の池や湿地、高層湿原などで見られる。数が少なく、準絶滅危惧種に指定されている地域もある。
シュウジョウトンボ 最も鮮やかな赤色のトンボです。 オスは顔から体、羽根の付け根まで全身が血のように真っ赤になる。メスは黄色っぽい。アキアカネ属とは体形がやや異なる。

池や沼、水田など、平地の開けた水辺に生息。羽化は夏だが、成熟するとすぐに赤くなるため、夏から秋にかけて見られる。
日本で最も美しい赤トンボ は、ミヤマアカネ(深山茜)です! その秘密は、特徴でもある翅の帯とピンクの縁紋(えもん)にあります。この縁紋も成長につれ白色からピンクに変化します。 (写真はネットより)


体長が35~39mm程度の小さな蜻蛉で、不均翅亜目のトンボ科に属する赤トンボの仲間です。
分布は、ヨーロッパからユーラシア大陸にかけて分布しており、翅に茶色~褐色の帯を持つ赤トンボは、世界中でミヤマアカネのみだそうです。
日本国内では、北海道・本州・四国・九州に生息していますが、田んぼの減少に伴い生息数も激減しており、都道府県によっては絶滅が危惧されています。
「ヤグルマトンボ」「カザグルマトンボ」等の俗称があります。
とんぼの寿命は、とんぼの成虫の寿命は短く、冬越しできないトンボが大半です。シオカラトンボや赤とんぼといった普通のトンボは、川の中でほとんどの時間を過ごし「トンボの幼虫:ヤゴの期間は2~6ヵ月」、中には数年、川の中で過ごすヤゴもいます。ヤゴは「5月後半~8月に羽化」して、成虫のトンボになります。
アキアカネは幼虫期間が2か月、成虫になってからの寿命は3か月ほどです。 6月ごろに羽化し、暑さに弱いアキアカネは8~9月を涼しい山で暮らします。 涼しくなった9月~10月に人里へ現れ秋に見かけるトンボです。ちょっと変わった生態系をしていますが、理にかなった生き方をしていますので、一番、賢いトンボかもしれませんね!
トンボはセミと同じで「幼虫期間の方が、成虫よりも長い昆虫」であり、トンボの寿命は成虫になってから3か月以内す。
トンボは、 全世界に約5,000種類、うち日本には200種類近くが分布している。 日本最大のオニヤンマから日本最小のハッチチョウトンボまで、さまざまな種類が生息しています。 ( 写真はネットより)

最大のオニヤンマ & 最小のハッチチョウトンボ:オス成虫と五円玉(直径22mm)
◆ 神秘的な輝きが魅了する「蝶蜻蛉:チョウトンボ」
翅は、構造色と呼ばれる光の干渉によって、見る角度によってエメラルドグリーン、コバルトブルー、パープルなど、玉虫色に輝きます。

カレッジの仲間が、名古屋鳴海「呼続公園」會池で撮られた写真です。
蝶のようなひらめき、チョウトンボの翅は幅広く、一般的なトンボの翅に比べて短めです。飛ぶ姿はまるで蝶がひらひらと舞っているように見えます。
主に平地から丘陵地の、抽水植物(水底に根を張り、茎や葉が水上に出る植物)が豊富な池や沼、湿地、休耕田などに生息しています。
羽化は6月中旬ごろから始まる。朝鮮半島、中国に分布し、日本では本州(青森県津軽、上北地方以南)、四国にかけて分布する。
◆ 地球規模で移動を繰り返す「ウスバキトンボ」
世界中で広く分布し、特に日本では春から初夏にかけて南方から沖縄などに飛来し、九州や中国地方を北上します。ウスバキトンボは、海を渡る際に夜間に海面に止まって休息することもあり、その移動距離は3000km以上に及ぶことがあります。
周囲100km以上に陸地がない絶海の孤島「西之島」でも発見されています。
写真はネットより
寿命は長くても1か月半で、孵化までのスピードは5日と非常に早いです。
そして、1か月ほどで成虫になり、次の世代が生まれます。
繁殖力が非常に高い一方で、「寒さ」に極端に弱いという弱点があります。 冬が来ると、ほぼ全滅してしまいう。翌年また南の地域から飛来してきます。
このサイクルを繰り返すことで、日本にウスバキトンボが毎年現れる
長距離を移動しているのではなく、超高速で繁殖しながら世代をつないでいる。その繁殖力の高さや、どんな場所でも産卵できる適応力、さらには過酷な環境を生き抜くための共食い戦略など、驚くべき生態が解明されています。
◆ トンボで、ないですが、1日に300kmも飛行する蝶「アサギマダラ」
10/23 中日新聞県内版に『海を越える旅 長久手で休息」と記事が、
愛地球博記念公園に飛来して、花を付け始めたフジバカマに「アサギマダラ」が何匹もヒラヒラと舞っている! 「年に一度の風物詩」この機会に楽しんで欲しいと公園管理事務所が呼びかけです。
写真はネットより
東京都心から名古屋市までは、直線距離で約260kmなので、それよりも長い距離を1日で移動するそうです。
西洋においては、トンボは基本的には不吉な虫と考えられた。ヨーロッパでは「魔女の針」などとも呼ばれたり、その翅は「カミソリ」になっていて触れると切り裂かれるとか、嘘をつく人の口を縫いつけてしまう、あるいは耳を縫いつけるという迷信もあった。魔女の針という名称はこの「縫いつける」という迷信と関連づけられた事によってつけられたらしい。 また、トンボが刺すという誤解も広く流布しているようです。また、「ヘビの先生」との名もあり、危険が近づいていることをトンボがヘビに教える、という伝承による。
とんぼにまつわる格言 !?
「とんぼ返り」とは、とんぼの雄はテリトリーを持っていて、他の雄が入らないように、この縄張りを守るため巡回パトロールをする習慣があります。
飛びながら急に後ろへ身を翻して来た道を帰って行くので、目的地に着いてすぐ戻ることを「とんぼ返り」というようになった。
また、空中で身を回転させる動きから宙返りを表す言葉としても使われています。
「勝ち虫」とは、とんぼは勝ち虫ともいわれています。
真っ直ぐ前にしか進まないので「不退転」(ふたいてん=決して退却しないこと)の象徴として武士に好まれ、武具の装飾に用いられました。
また、現代でも浴衣の柄などに縁起の良いものとして描かれています。
「とんぱち」とは、これは相撲界の隠語で「トンボに鉢巻き」の略で、 トンボに鉢巻きをすると何も見えなくなるというイメージから転じて「目先がきかない者」「何をしでかすか分からない者」を指す。 この隠語は大相撲出身者が多かったプロレス業界にも同様の意味で普及している。
北陸地方では、探しものが下手な者を「目トンボ」と言い習わす。
「極楽とんぼ」とは、楽天的でのんきに暮らしている者のことをいいます。
上空(=極楽)を優雅に飛ぶトンボの姿に由来しています。ゆったりと飛ぶアキアカネがモデルという説もあります。
「カゲロウ」とは、平安時代、透明な翅でふわふわ飛んでいる虫をすべて「カゲロウ(蜻蛉)」と呼んでいた。 (蜻蛉日記など) ややこしいですが、分類的に、蜻蛉(トンボ)と蜉蝣(カゲロウ)は違う種類です。
初秋に、とんぼは突如群れをなして飛来するところから、祖霊が姿変えてを来たとの俗信があり、捕ることはしなかった。捕った時は「盆と正月に来い」と言って放つ風習があった。

11月15日 七五三、子供が3歳、5歳、7歳になったときに行われる、日本の伝統行事です。 由来は諸説ありますが、平安時代に宮中で行われていた3つの儀式が基になっているといわれています。子どもの死亡率が高かった当時、7歳までは「神の子」であると考えられており、7歳になると人間として認められていました。 3歳、5歳、7歳は奇数なので、中国の陰陽道(おんみょうどう)における「陽」にあたるため縁起が良いといわれています。節目の時期に成長を神様に感謝しお祝いをする。この儀式は江戸時代に武家や商人の間に広まり、その後明治時代の頃に庶民にも広まったそうです。

2025年のノーベル生理学・医学賞は、日本の坂口志文(しもん)氏(74歳)ら3人が受賞です。 受賞理由は、過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」の発見です。体内に侵入したウイルスなどの異物を攻撃するT細胞は、心臓の近くの「胸腺」で作られる。
そして、ノーベル化学賞を北川進氏(74歳)ら3人が受賞です。 地球温暖化の原因になる二酸化炭素の回収など、さまざまな環境問題の解決につながる可能性がある「金属有機構造体(MOF)」を開発。
日本のノーベル賞受賞は、昨年平和賞に輝いた日本原水爆被害者団体協議会(被団協)に続いて2年連続となる。
授賞式は12月10日にストックホルムである。賞金は1100万スウェーデンクローナ(約1億7千万円)で、3人で均等に分ける。
ノーベル賞受賞:北川進さん ・ 坂口志文さん、共に京大卒で同年代

色紙にモットーや好きな言葉は、坂口さんは「 素心(そしん) 」と! 北川さんは一見無駄なものにも価値があるという意味の言葉「無用 之(の) 用」をしたため、MOFのイラストも! 飾らない率直な心を持ち、研究を続けたという。
日本出身で日本国籍を持つノーベル賞受賞者は27人。内訳は、物理学賞が9人、化学賞が9人、生理学・医学賞が6人、文学賞が2人、平和賞が1人で、経済学賞を受賞した人はいない。

10月4日に投開票が行われた自民党総裁選で、女性初で新総裁に選出された高市早苗前経済安保大臣(64)。 事前には小泉進次郎農水大臣(44)有利と報じられていたが、予想を覆して、高市氏が歴史的勝利をおさめた。
10月10日、公明党が自民党との連立政権から離脱すると表明し、令和の政治史に大きく刻まれることは間違いないと報道! 10日に26年続いた自民党との連立からの離脱を通告。
自民党は比較第一党ながら衆院勢力196議席は、過半数233議席から大きく離れ、国会首班指名で高市早苗新総裁が次期首相に選出されるかは不透明な情勢だったが??
10月21日、自民維新連立政権が発足し、憲政史上初の女性高市新首相が誕生し新内閣が発足しました。「決断と前進の内閣」と述べた。
10月24日 高市新総裁 所信表明 「政治とカネ問題」具体的言及なし?? 防衛費を25年度中にGDP比2%に増額前倒と !
小数与党に変わりはなく、政策実現には野党との交渉が不可欠で高市新総裁、難問が山積にどう切り抜けていくのか目が離せない!?
10月27日~29日 トランプ米大統領 6年ぶりに来日! 28日には高市首相と赤坂迎賓館にて初首脳会談 「日米同盟の新たな黄金時代を共につくる」と!
ホトトギスの花
秋の深まりとともに、朝晩の空気が一段と冷え込むようになってきました。 11月を迎えカレンダーが残り2枚を見つつ、ひたすら時の経つ速さに焦りを感じてしまいます。
「この道や 行く人なしに 秋の暮れ] 芭 蕉
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